Android ビルドとプロパティ

はじめに

Clickteam Fusion 2.5 のガイドへようこそ! 本ガイドに記載されている情報の一部は、Multimedia Fusion 2 でも利用できます。 PDF 形式のチュートリアルやガイドはご自由に印刷してお読みください。 お好きな時間にご自身のペースで読み、学習していただけます。

Clickteam Fusion 2.5 では、ある結果を得るための方法は 1 つに限定されません。本ガイドでは、それらのうち、最も一般的かつ簡単で効果的と思われる方法をご紹介しますが、方法はそれだけだけではない、ということを頭の片隅に留めておいてください。

本ガイドは、ゲームであれ、アプリケーションであれ、 Clickteam Fusion 2.5 を使って開発を行おうとお考えの方に、知りたいことを丁寧に説明することを目指して作成いたしました。

本ガイドについてのご意見、ご感想をお待ちしております。 学習者のレベルに合わせたガイドを個別に作成するのではなく、初心者から中級、上級者まですべてのレベルの方が同じガイドで同じ目標を達成できればと考えております。

本ページで解説している手順は、インディゲームクリエイター Clickteam Fusion 2.5 のビルド 292 以降が対象です。それ以前のバージョンをお使いの場合はアップデートを行ってください。

AndroidのAPKファイルを作るには、外部ツールのインストール、設定が必要です。

  1. ビルドするための準備
    1. Android Studio (Android SDK) のインストール
    2. SDK パッケージのインストール
    3. Clickteam Fusion 2.5 の設定
  2. テスト用ビルド

1. Android Studio (Android SDK) のインストール

Android SDK は Android Studio に含まれています。Google の Android Developer サイトからダウンロード、インストールします。SDK ツールは、最新版を使ってください。

Google Developper サイト・Android Studio ダウンロードページ: https://developer.android.com/studio?hl=ja

"DOWNLOAD ANDROID STUDIO" をクリックしてダウンロードします。

インストーラを起動し、Next を押します。

インストールするコンポーネントを選択します。エミュレーターを使用してアプリをテストする場合は "Android Virtual Device" もインストールします。

Android Studioのインストール先を指定します。

ショートカットはお好みで設定してください。

インストール完了後はツールを起動します。

"Do not import settings" を選択して OK を押します。

初回起動時のウィザードが開始されます。

インストールタイプを選択します。通常は Standard で問題ありません。自分で細かく指定する場合は Custom を選択してください。

初期設定の最終確認です。"Finish" を押すと、最初に必要な SDK コンポーネントのダウンロードが始まります。終了すると、Android Studio のメニュー画面が表示されます。


注意: "C:\Program Files\Android\Android Studio\jre" は Android SDK に同梱されている Java Development Kit (JDK) のパスです。Clickteam Fusion 2.5 の環境設定で指定する際に必要ですので覚えておいてください。

Java Development Kit について

以前のバージョンでは、ORACLE のサイトから、JAVA の開発キットをダウンロードしてインストールする必要がありましたが、現在では Android Stuidio に JDK が同梱されていますので個別にインストールする必要はありません。


2. SDKパッケージのインストール

右下の "Configure" から "SDK Manager" を開きます。

リストより必要なパッケージを選択して "Apply" または "OK" を押すとダウンロードが開始されます。通常は最新のパッケージをインストールすれば下位のパッケージにも互換性があります。AdMob など特別なサービスを利用する場合は特定のバージョンのパッケージが必要になります。

ライセンスの同意を求められた場合は "Accept" を選択して "OK" を押します。"Android SDK Location" は SDK のインストールされている場所です。Clickteam Fusion 2.5 の環境設定では、Android SDK のパスはこの場所を指定します。


3. Clickteam Fusion 2.5 の設定

Clickteam Fusion 2.5 の環境設定にて、インストールされた JDK と Android SDK のパスを設定します。

Clickteam Fusion 2.5 の "ツール" → "環境設定" を開き、"全般" タブの下部にある "Expoters" にて、JDK と Android SDK のパスを指定します。パスは初期設定のままであれば以下のようになります。

JDK: C:\Program Files\Android\Android Studio\jre

SDK: C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Android\Sdk


4. テスト用ビルド

Android 用のテスト版をビルドする準備が完了しました。作成したアプリケーションの設定で、Android / OUYA アプリケーション (.apk) に設定すると、apk としてビルドできます。

インディゲームクリエイター:アプリケーション設定

ビルドの種類:Android / OUYA アプリケーションを選択


5. ビルド時にエラーが発生した場合

apkのビルド時に、

"Failed to install the following Android SDK packages as some licences have not been accepted."

というエラーメッセージが表示されてビルドに失敗する場合があります。これは使用しているパッケージのライセンスの同意処理が上手く行われていないことが原因です。以下の手順でライセンスの再同意を行います。

コマンドプロンプトを起動します。

cd C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Android\Sdk\tools\bin と入力して Enter を押します。

sdkmanager --licenses と入力して Enter を押します。同意するかどうか聞いてくるので Y を押します。"All SDK package licenses accepted." と表示されれば完了です。exit と入力してコマンドプロンプトを閉じます。


6. デジタル証明書の発行

Googleストアなどで登録できるようなリリース版を作るには、デジタル証明が必要です。 この証明によって、そのアプリケーションの証明書を持った本人しか更新できないようになります。 自分の作ったものが保護されます。 ただし、証明書を大事に保管する必要があります:なくした場合はアプリケーションの更新は不可能になりますし、 流出した場合は、悪意を持った人が別のものに更新できてしまいます。

証明書の作成

証明書を作成するには、ORACLEのkeytoolを使います。Java Development Kit に入っている、コマンドライン用のツールです。

まずはコマンドプロンプトを開きます:Windows キー と R を同時に押して、 表示された「ファイル名を指定して実行」の入力欄に cmd を入力して、OKを押します。

インディゲームクリエイター:アプリケーション設定

ファイル名を指定して実行 で コマンドプロンプトを開きます。

Java Development Kit のフォルダーにディレクトリーを変更します。

cd "C:\Program Files\Android\Android Studio\jre\bin"

次にkeytoolを起動します。

keytool -genkey -v -keystore d:\great-release-key.keystore -alias great_key_name -keyalg RSA -keysize 2048 -validity 10000

d:\great-release-key.keystore : は、.keystore ファイルが生成される場所を指定ください。この例では、D ドライブのルートにgreat-release-key.keystore が生成されます。

great_key_name : はキー名前を指定します。

cmd keytool

コマンドプロンプト で keytool の流れ


「キーストアのパスワードを入力してください:」
設定したいパスワードを入力します。(画面には表示されない)
「新規パスワードを再入力してください:」
パスワードをもう一度入力します。(確認のため)
「姓名を入力してください:」
氏名を入力します
「組織単位名を入力します。」
会社の場合は、部署名など、個人の場合はpersonal または android を入力します
「組織名を入力してください。」
会社名、サークル名、ブランド名 を入力します。
「都市名または地域名を入力してください。」
市区町村を入力します。
「州名または地方名を入力してください。」
都道府県を入力します。
「この単位に該当する 2 文字の国番号を入力してください。」
日本は jp を入力します。
「{入力した内容}でよろしいですか?」
内容を確認して、正しければ y を入力します。間違った場合は n で変更します。
「{生成してます的なこと}」
「{証明書の名称}の鍵パスワードを入力してください。 (キーストアのパスワードと同じ場合は RETURN を押してください):」
違うパスワード、またはキーストアと同じ場合は Enter を入力します。

注意:作成しましたキーストアファイルは、安全に保管が必要です。また、複数の場所に保管するのをお勧めします。またパスワードも安全な場所に控えてください。なくした場合はキーストアが使えなくなります。


7. リリースビルド

リリースビルドをビルドするには、アプリケーション設定のAndroid タブで、「リリースモード」を選択して、 お持ちのキーストアを設定します。

アプリケーションのAndroid オプション

Android タブでリリースモードを設定します。


「キーストア名」
こちらにキーストアファイルへのパスを入力します。または、【…】でブラウズして、指定できます。
例:d:\great-release-key.keystore
「キーストアのパスワード」
キーストア作成時に設定したパスワードを入力します
「キー名」
キーの名前を入力します
「キーのパスワード」
キー作成時に設定したパスワードを入力します。キーストアと異なる場合があります

完成です!

注意: キーストア、パスワードは安全に保管してください。いずれかをなくした場合は救済 措置はありません。